非上場株式の評価方法

非上場株式とは?

非上場株式とは、証券取引所に上場されていない会社の株式を指します。中小企業や家族経営の企業が多く該当し、市場価格が存在しないため、相続や贈与の際には専門的な評価が必要になります。


非上場株式の評価が必要な場面

  • 相続税の申告時
  • 贈与税の申告時
  • 株式譲渡や事業承継時
  • 財産分与や企業再編時

主な評価方法

非上場株式の評価は、国税庁が定めた「財産評価基本通達」に基づいて行われます。会社の規模や業種により、評価方法が異なります。

1. 原則的評価方法

(1) 類似業種比準方式

同業他社(上場企業)の株価を参考に評価する方法。以下の要素を基に算出します。

  • 売上高
  • 経常利益
  • 純資産額
(2) 純資産価額方式

会社の帳簿価額を基に、資産から負債を差し引いた実質的な価値で評価します。

※会社の規模や資産構成により、2つの方法を組み合わせて加重平均することがあります(併用方式)。


2. 特例的評価方法

会社の規模が小さい場合などは、特定の簡便法が適用されることがあります。

  • 配当還元方式(小規模会社や株主に経営関与がない場合)
  • 特定評価会社方式(会社清算時など)

評価方法の選択基準

評価方法は、以下の基準に基づいて選定されます。

会社規模評価方法(例)
大会社類似業種比準方式+純資産価額方式(併用)
中会社同上(比重調整あり)
小会社純資産価額方式 or 配当還元方式

非上場株式評価の注意点

  • 評価には複雑な計算が必要
  • 財務諸表や決算書の精査が重要
  • 株主構成や経営参加の有無も評価に影響

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まとめ

非上場株式の評価は専門性が高く、正確な手続きが求められます。相続・贈与・事業承継に関わる場面では、税理士や専門家のサポートを受けることが望ましいです。

この記事を書いた人

舩橋信治
昭和46年生まれ
保有資格 税理士、宅建士、行政書士、保険代理店
会計税務の仕事は24歳のときからたずさわっております。
でもまだまだわからないことが多いです。
初心貫徹、日々精進してまいります。

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